建設業界は今、かつてないほどの人手不足に直面しています。就業者数はピーク時の685万人から477万人へと3割減少。2024年の人手不足倒産は過去最多を記録し、そのうち建設業が約3割を占めました。

2024年4月から適用された時間外労働の上限規制により、「限られた時間で、より少ない人数で、同じ品質の仕事をする」ことが求められています。しかし現場を見渡すと、日報、安全書類、KY記録と膨大な書類業務が残っています。

477万人
建設業就業者数
ピーク時685万人から30%減
342
2024年 人手不足倒産
過去最多を更新
20種類+
安全書類(グリーンファイル)
正確かつ最新の情報が必要

書類業務、何にどれだけ時間がかかっているか

工事日報
天候、作業内容、人員配置、使用機材、進捗状況、特記事項。複数現場の掛け持ちで負担が倍増
1件30分〜1時間/日
安全書類(グリーンファイル)
再下請負通知書、作業員名簿、安全衛生計画書、持込機械等使用届など20種類以上。最新情報の収集・更新が必要
1現場あたり数日〜
KY活動記録(危険予知活動報告書)
毎朝の安全ミーティングで実施。危険要因の洗い出し・対策検討・実施確認。形骸化しやすいが省略不可
毎日15〜30分
作業手順書・施工要領書
新しい工種や特殊作業のたびに作成。ベテラン社員の経験と暗黙知に依存しがち
1件1〜3時間
会議議事録・月次報告書
定例会議の記録、月次の出来高報告。口頭のやりとりを文書化する手間が大きい
1件30分〜1時間

Claudeで効率化できる5つの書類業務

従来の書類作成
  • 手書きメモからPC入力
  • 過去書類のコピペ修正
  • ベテラン依存の属人作業
  • 記載漏れ・転記ミスの発生
Claude活用後
  • メモ入力で日報を自動生成
  • 条件指定でKY記録を即作成
  • 若手でも高品質な書類を作成
  • AIが整合性をチェック
1
日報の自動生成
現場で撮影した写真やメモ書きの情報をClaudeに渡すだけで、会社の定型フォーマットに沿った日報を数秒で生成。過去の日報を読み込ませれば文体の一貫性も保てます
作成時間:30分 → 5分
2
KY活動記録の作成支援
作業内容を伝えるだけで、想定される危険要因と対策案を自動提案。形骸化しがちなKY活動に客観的な視点が加わり、安全意識の実質的な向上にもつながります
形骸化の防止+品質向上
3
安全書類のドラフト作成
作業員名簿や再下請負通知書など定型的な安全書類のドラフトを生成。過去の提出書類をベースに、変更箇所だけを更新する使い方が効率的です
Claude in Excelと連携可能
4
作業手順書の生成
工種名と現場条件を指定するだけで標準的な作業手順書のドラフトを生成。ベテランの暗黙知をAIが言語化し、若手への技術伝承ツールとしても活用できます
技術伝承にも貢献
5
会議議事録・報告書の作成
定例会議のメモをClaudeに渡せば、決定事項・懸案事項・アクションが整理された議事録が完成。日報データの集約による月次報告書の自動生成も可能
作成時間:1時間 → 10分

具体的なプロンプト例

日報生成プロンプト

Claude prompt — daily report
以下の情報から工事日報を作成してください。
 
【現場名】○○邸新築工事
【日付】2026年4月25日(金)
【天候】晴れ / 気温22度
【作業内容】基礎配筋検査、合格後コンクリート打設
【人員】監督1名、鉄筋工3名、土工2名、ポンプ車オペ1名
【数量】生コン28m3(設計比102%)
【特記事項】配筋検査14時合格、打設15時〜17時完了
※会社の日報フォーマットに合わせて簡潔かつ正確に記載

KY活動記録プロンプト

Claude prompt — KY report
以下の作業についてKY活動記録を作成してください。
 
【作業内容】2階外壁の足場上でのサイディング張り作業
【現場条件】風速5m/s以下、気温25度
【使用機材】電動ドリル、丸鋸、足場(枠組足場)
危険要因を4つ以上挙げ、それぞれに対策を記載
対策は「〜する」の形式で具体的に記載してください

Claude in Excelで建設書類を効率化

建設業の書類はExcelベースのものが非常に多く、ClaudeのExcel連携機能との相性が抜群です。

活用 01
作業員名簿テンプレートにデータを一括入力
下請業者から受け取った情報をClaudeがExcelの所定欄に自動入力。手入力による転記ミスを防止
活用 02
工程表(バーチャート)の自動更新
進捗状況の変更を伝えるだけで、Excel上の工程表を自動で更新。関連する日程の連動調整も対応
活用 03
安全書類の整合性チェック
記載漏れ、日付の不一致、資格の有効期限切れなどをClaudeが自動検出。提出前の最終チェックに
活用 04
月次出来高集計と報告書の自動生成
日々の実績データから月次の出来高を自動集計し、報告書フォーマットに出力。決算期の集計作業を大幅短縮

施工写真 x AI画像生成の活用

建設現場では大量の施工写真を撮影しますが、その整理・加工にも時間がかかります。AI画像生成を活用すれば、施工写真をベースにした完成イメージパースの作成、施工前後の比較画像、安全看板や注意喚起ポスターの作成、SNS・Webサイト用の現場写真の加工が可能です。

特に長野県の建設会社にとって、デザイン外注なしで高品質なビジュアル素材を作れることは大きなメリットです。

導入コストと人材開発支援助成金

AI活用を社内に定着させるには、ツールの契約だけでなく「使いこなせる人材を育てる」研修が不可欠です。厚生労働省の人材開発支援助成金を活用すれば、AI研修費用の最大75%が助成されます。

事業展開等リスキリング支援コース
AI研修費用の最大75%を助成
DX推進に伴う人材育成を対象としたコースで、AI研修に最も適した助成金です。中小企業の場合、経費助成率は最大75%、賃金助成は受講者1人あたり960円/時が支給されます。令和8年度末までの期間限定です。
75%助成
中小企業の経費助成率(最大)
+ 賃金助成 960円/時

具体的なコスト試算

willBのAI研修(1名20時間・40万円 税別)に人材開発支援助成金を適用した場合の試算です。

研修費用(1名)
40万円
経費助成(75%)
-30万円
賃金助成(960円 x 20h)
-1.92万円
実質負担額
約8万円/名

3名の現場監督に研修を実施しても実質負担は約24万円。月額換算すれば1人あたり数千円程度の投資で、書類業務の大幅な効率化が実現します。

導入時の注意点

機密情報の取り扱い
図面データや顧客情報をAIに入力する場合、Teamプラン以上を選択してください。入力データがモデルの学習に使用されない設定になっています
AIの出力は必ず人がチェック
安全書類やKY活動記録は法令遵守の観点からも正確性が求められます。Claudeが生成した書類は必ず現場経験のある担当者がレビューしてください
段階的に導入する
まずは1つの現場、1つの書類(日報がおすすめ)から開始。効果を実感してから対象業務を広げるのが、現場の抵抗感を減らすコツです
建設現場のAI導入、まずはご相談から
willBは松本市を拠点に、長野県の建設会社向けにAI研修・導入支援を行っています。1名20時間のAI研修は人材開発支援助成金の活用で実質約8万円から。「うちの現場でAIが使えるのか」という段階からご相談いただけます。

まとめ

建設業の人手不足と2024年問題は、もはや「気合いで乗り越える」段階ではありません。書類業務という「本来の施工業務ではない時間」をAIで圧縮し、限られた人員と時間を現場の品質向上に集中させる。これが、これからの建設会社に求められるDXの第一歩です。

Claudeを使った書類業務の効率化は、人材開発支援助成金を活用すれば実質1名あたり約8万円の研修投資で始められます。まずは日報の作成から試してみてください。

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